AATISMOさん設計「ハニヤスの家」見学
先日、AATISOMOさんが設計された「ハニヤスの家」の内覧会が鎌倉で開催されており、
見学に伺わせていただきました。
弊社で設計している「鎌倉の住宅」もそうですが、
今回見学したこちらの家も、鎌倉の谷戸(谷状の地形)の奥に位置する、
山に囲まれた場所にあります。
鎌倉はこのような谷戸には行き止まりの道が多く、
生まれながら鎌倉に住んでいる私でも、まだ足を踏み入れたことのない道がたくさんあります。
今回の敷地へ向かう道も、初めて通るルートでした。
敷地に近づくとまず目に飛び込んでくるのは、不思議な色をした“まあるい”ボリューム。
昔ながらの家屋が並ぶエリアに突如として現れるその姿に、思わずドキッとします。

少し奥へ進むと建物の全容が見えてきました。
今回の計画は、既存の母屋に増築する形で改修された、
建築家さんとそのご両親が住まわれる二世帯住宅とのことです。

ご両親は陶芸家で、自宅の中にアトリエ機能を持ち、
さらに建築家ご夫婦のアトリエも兼ねる、自宅兼アトリエの住まいになっています。

何より目を惹くこの不思議なボリュームは、陶芸から着想を得て、
この敷地の土に鉄や銅などを混ぜて塗られた土壁だそうです。
まるで器にかける釉薬のようでもあります。

このボリュームが既存建物の四隅に貫入するように配置され、
それぞれが個室スペースとなり、既存の母屋部分は二世帯が共有するキッチンやダイニングなどの開かれたオープンスペースとして機能していました。

内部は外観とは異なり、同一素材の塗り壁で仕上げられていて、
洞窟の中にいるような落ち着きと安心感のある空間になっています。

中には茶室となっているボリュームも。

敷地内には、今回の計画で検討されたスタディモデルが数多く展示されており、
その膨大な検討の過程が手に取るように伝わってきます。


一見すると奇抜なデザインの住宅にも思えますが、
建築家ご夫婦と陶芸家のご両親が共に暮らす、職と住が一体となった住まいとして、
住まい手の個性が非常によく現れた、唯一無二の建築だと感じました。

自邸だからこそ可能なチャレンジングな計画であり、
また建築家の自邸だからこそ、自分が本当に信じる魅力へと深く踏み込んだ結果なのだと思いました。

久しぶりに、とても良い刺激をいただきました。
AATISMOの皆さま、このような貴重な機会をつくっていただき、ありがとうございました。
改めて、この度は誠におめでとうございます!


