逗子の住宅 ~作品紹介~

逗子の高台に位置する住宅地に計画した、家族6人が暮らすための専用住宅です。
周囲の自然や地形を活かしながら、快適で豊かな暮らしを実現する住まいとなるよう計画しました。


外観・アプローチ

外壁はジョリパット(左官モルタル)の塗り壁仕上げと、深い庇がぐるりと回り込むデザインが印象的です。

60坪強の敷地を活かし、駐車スペースは2台分を確保しつつ、
詰めれば3台目も駐車可能な余裕あるレイアウトとしました。

敷地は前面道路から高低差のある地形で、アプローチには階段とスロープを併設し、
誰もが安全に出入りできるよう配慮しています。
隣地との間にはレッドシダーの木塀を設置し、建物正面にはアオダモのメインツリーを植樹しました。

玄関・動線計画

家族6人が日々使う玄関は、ゆったりとした広さと大容量の下足収納を備えています。
また、玄関の左手にはパントリー・キッチンへとつながる扉を設けており、
買い物後すぐに収納へ運べるスムーズな家事動線も魅力です。

廊下・階段

廊下には2階へとつながるストリップ階段と、LDKへ通じる室内窓+引き戸を設けました。
窓から差し込む自然光と、階段の抜けによって、廊下も明るく風通しのよい空間になっています。
格子の室内窓は濃色塗装によってアイアン風の引き締まった印象に。

LDK・吹き抜け

南庭に面したLDKは、採光と開放感に満ちた心地よい空間です。
中央には吹き抜けを設け、上部にも開口をとることで光が奥まで届き、風も抜ける設計になっています。
ウッドブラインド(上部は電動)によって日射をコントロールし、夏の強い日差しにも配慮しています。

中央には施主のご希望で薪ストーブを設置。
煙突が吹き抜けを抜けて2階へ伸びており、家全体を柔らかく暖めます。

キッチン

2列型キッチンはシンク側のみアイランド型とし、家族の動線に配慮。
ダイニングと統一感のあるペンダント照明を組み合わせ、視覚的なつながりも大切にしました。

キッチンの面材はナラ突板の塗装仕上げ、天板にはセラミックストーン「デクトン」を採用。
冷蔵庫脇の扉からはパントリーを経由して玄関にアクセスできる、便利な回遊動線です。

庭・外構

南側の庭には、ウリン材のウッドデッキを設置。
深い庇により夏場の日差しを遮り、屋外空間でも快適に過ごせます。
庭にはヒメシャラ(中央手前)、奥にはオリーブやジューンベリー、月桂樹など季節を楽しめる植栽を施し、
芝にはメンテナンス性の高い「TM9」を採用しました。

2階・スタディースペース

階段は、鉄骨H型鋼を使った片持ちのささら構造と、反対側は壁埋め込み固定で軽やかに見せています。

2階に上がるとすぐに、吹き抜けに面したスタディースペースがあります。
ここは4人兄弟の共用ワークスペースとして設けられた場所で、奥には3つの子供部屋が並びます。

2階の廊下にはスチール手すりを採用し、
吹き抜けを通じて1階とのつながりや空間の広がりを感じられるようにしています。

寝室

子供部屋はシンプルでコンパクトな4.7帖。

主寝室には、フローリング材と同素材で仕上げたヘッドボードを造作し、
スイッチや調光器、コンセントなどを集約して、ホテルライクな快適性を確保しています。

水回り

水回りは洗面と脱衣室を分けて設計。
脱衣室には洗濯機とガス乾燥機(乾太くん)を設置し、家事効率を高めています。

夕景の様子

LDKでは、日中とは異なる落ち着いた光が照らし、ブラインドを下ろすことで温かみのある空間に変化します。

外観も庇下に設けたダウンライトによって、夜間でも安心感と美しさを保ちます。

以上、逗子の住宅のご紹介でした。

家族6人がそれぞれの居場所を持ちながらも、家全体が緩やかにつながるような空間構成を目指しました。

外と内のつながり、光と風の取り込み、日々の暮らしやすさを丁寧に設計した住まいです。