茅ヶ崎の住宅 ~作品紹介~

  • 写真:吉田誠

敷地は茅ヶ崎の海岸からほど近い距離にある旗竿敷地になります。
周囲との程よい距離感が保たれた、開放的な住まいです。

建物は南側に庭を広く取ることを優先し、北側に寄せて配置しました。
外観の特徴は、2階まで続く大きな格子窓。その一部に玄関扉が組み込まれています。

玄関・LDK

玄関は3段のステップを上がったテラス兼ポーチからアクセスします。
2階バルコニーの張り出しが、庇の役割も果たしています。

室内に入ると、目の前にカウンター付きのキッチン。
一段下がったリビング・ダイニングが広がり、玄関らしい明確な仕切りはありません。
靴脱ぎマットを設けることで上足と下足のエリアを自然に分けています。

キッチン・リビング

カウンターはまるで小さなバーのような空間。
飲食業を営む建て主のこだわりが活かされています。

キッチンは2列式でシンク側はモールテックスの天板とナラ材の引き出し
コンロ側はオールステンレスの天板と引き出しです
冷蔵庫には業務用のコールドテーブルを使用し、奥のパントリーには家庭用冷蔵庫も設置しています。

LDKは吹抜けと格子窓によって、日中はたっぷりと自然光が差し込みます。
キッチンから2段下がったリビングは、開放感がありながらも座ると安心感のある落ち着いた空間に。

窓際の床はキッチンと同じ高さとし、テラスとの連続性とベンチ機能を両立させています。

螺旋階段とテラス

LDKに設けられた螺旋階段は吹抜けを貫き、テラスへの出入り口も兼ねた設計。

テラスから庭への段差は、ちょうどベンチのように腰掛けられる高さに設定しています。

2階:プライベート空間

2階には主寝室・子供部屋・浴室などのプライベート空間を集約。
吹抜けに面した廊下が各部屋をつなぎ、明るく開放的な雰囲気です。

廊下の突き当りは主寝室となっています
吹抜けに面した室内窓とバルコニーに面した掃き出し窓があり、柔らかな光が満ちます。

水回り

2階のトイレは床も壁も白いタイルでまとめています
壁はサブウェイタイルというアメリカのサブウェイ(地下鉄)に
よく使われているのでそう呼ばれています
床は六角形のヘキサゴンタイルを使用した白基調の空間。

トイレの奥には洗面・脱衣室と浴室があります。
サブウェイタイルが連続する在来浴室(造作で作った浴室)を採用。
洗面台はアンティーク家具を活用し、配管を通してオリジナルの設えとしています。

夕景と夜の風景

夕景では、あたたかな照明が室内外をやわらかく包み込みます。
玄関ポーチの木貼りの軒天は、内外の連続性を意識したデザイン。

玄関ポーチの軒天部分は木を貼り室内まで連続させ
ここでも内部と外部の連続性を持たせています

周囲との距離があるため、ロールスクリーンを設けつつも基本的にカーテンレスで暮らせるのも魅力です。

夜、帰宅すると家の明かり越しに家族の様子が垣間見える
そんな安心感のある住まいとなりました。


光と風、そして家族の気配が心地よく交わる住まいを目指しました。
これからも、日々の暮らしが豊かに重なっていくことを願っています。
以上、茅ヶ崎の住宅でした。